スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

【6/6 朝・夕】 鯛焼きを一緒に。 

【6/6 朝】


登校中、欠伸を噛み締めながら昨日の風景を思い出していた。


流れていく灯り、笑い声、久しぶりに楽しかった。
自然と笑みがこぼれる、久しぶりに笑った事に気が付かないまま。


「蜜琉、ちゃん」


後ろから声を掛けられて振り向くと、蜜琉と似たような背丈の少女が手を振っている。



「斑ちゃん!おはようー!」


如月・斑、クリクリとしたショートが可愛い独特の雰囲気を持つ、蜜琉が仲良くしている女友達の一人だ。


「…今日、暇?一緒に鯛焼き食べ、よ?」

「放課後?いいわよぅ!」

彼女が無類の鯛焼き好きと知っている蜜琉は即答する。


「わぁい、じゃ、放課後、鹿苑寺の校門までお迎えに行く、ね?」


嬉しそうにひらひらと手を振って走ってゆくのを見送って、蜜琉も自分のキャンパスへと向かった。




【6/6 夕】


「蜜琉ちゃん、お待たせ、ね?」


てってって、と言う擬音がしそうな感じで斑が校門前で待っていた蜜琉に走り寄ってくる。


それに首を横に振って答えながら二人で鯛焼き屋さんに向かう。
あんこだけじゃなくって、カスタードクリーム・チョコレートクリーム・チーズクリームなどもある今風の鯛焼き屋さんだ。



どれを食べようか二人で相談しながらお店に向かう。


斑はチョコレートクリームのと、あんこのをひとつずつ。
蜜琉はあんまりお腹が空いていなかったのもあってチーズクリームのをひとつ。


二人でベンチに座って幸せそうに食べ始める。


「甘いの、食べると元気、でるよ、ね?」

斑が笑いかけながら言う。



あぁ、と蜜琉は思う。

人の心に聡い子だったな、と。
遠くから見かけているだけだっただろうに、本能的に違和感に気が付いたのか。

綺麗に隠して、隠して、笑う。


「うん、甘いの食べると幸せよねぇ!斑ちゃんも病み上がりだし元気出た?」


「うん、もう元気、だよ」


にぱっと斑が笑う。


食べ終わって、他愛ない話をして帰り道の別れぎわ。

そっと蜜琉の手を握って斑が言う。


「あんまり無理しちゃ、だめ、ね?」

「大丈夫よぅ!カフェも忙しいけど皆いるしね?」


「…うん、蜜琉ちゃんがいいなら、大丈夫、ね」


そっと手を離して自分の場所にお互い歩き出す。



「蜜琉ちゃん!」

斑ちゃんの声に振り向く、ピースサインをしている斑が目に映る。


「らぶー」

にぱっと笑う斑に、同じようにピースサインを返して同じように返事を返して手を振って別れを告げて、カフェに向かって歩く。



他愛無い風景、他愛ないひと時。



今日は、大人しくしてようとぼんやり思う。



夢の中の少女は、きっと今日も泣かないだろう。
スポンサーサイト
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。