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【6/21 深夜 朝】 after the rain ... in the morning  

雨が上がる



わんわん、子どもみたいに泣きたいだけ泣いて。
その間ずっと背中をぽんぽんとされていた。

しがみついて泣いてる間色んな事が胸の中で溢れだして。
ぽんぽん、と背中をあやしながら うん って頷いてくれる相手にとつとつと、嗚咽交じりに伝える。

あたしは泣きたかったのだ、ずっと。
寂しくて、心細くなって。
でも平気なフリをして。

だって。

誰にも心配をかけたくなかったの。
困らせたくなかったの。
だから平気なフリをして、笑ってたのだと。






少しずつ落ち着いて、泣きやみかけながら口を開く。

「あ、あたし」

「うん」

「あたし、強くなくても、いい、かなぁ・・・っ弱く、ても、い・・っかなぁ・・・っ」


ぽんぽん、とされながらしゃくりあげる。

「うん。…つかさ、みんなさ、店長が強いから好きなわけじゃなくて、自然に笑っててるのが好きなんじゃないか、て思うわけで…無理して笑えなんて、誰も言ってねェと思うんだよねェ」

ぽん、と背中をひとつ叩いて。

「そのまんまでいいんじゃない?」

ひぃっくと声をあげて頷いて、吐き出すだけ吐き出して。
頭を預けたまま、泣いて掠れた声で呟く。

「内緒に、してね?・・・泣いたの」

「うん」

「誰にも言っちゃだめなんだからね?」

「言わない、内緒にします」


みっともなく泣いた顔なんてほんとは見せたくなかったけど、もうこれ以上ないくらいみっともないとこを見せたのだから今更だ。

あんまり擦らない様にして涙を拭いて顔を上げて

「・・・ありがと」

涙でくしゃくしゃになった顔で、やっとほんとに笑えた気がした。

落ち着いてから、江間が簡単に蜜琉の治療をしてくれていた。
ブツブツと呟きながらもてきぱきと動かされる手を見て、蜜琉は全然違う事を考える。

落ち着いて思えば。
誰にも告げずに、ここまで来たのに。
どうやったのかわからないけど、きてくれて。
危ないとこ助けてくれて。
心のもやもやしたのも全部晴らしてくれて。

――――それはまるで

そこまで考えて、江間の声に引き戻される。

「氷…ねェし、帰りバイクだから血ィ下がるし、
 ああもうろくな応急処置も出来やしねー!!
 ホンットアンタ、なんでこんな怪我するわけ!!」

「うふふ」

思わず笑い声がこぼれる。


「良将ちゃんて、魔法使いみたいね」

きょとんとした表情の後。

「…何ゆってんのかなァ…!」

赤くなって照れるのを見て、また笑ってしまう。



それから、イグニッションを解いておんぶされてバイクまで運んでもらって後ろに乗せてもらって。

バイク乗るの初めてってはしゃいだら仕方ないなって顔で笑われてメットを渡されて。

「はいはい、落っこちないよーに!」

って言うからしっかりしがみついて、気がついたらカフェ前で、ゆらゆら気持ちいいなって思ったら椅子に座らされていた。

「…ちょっと! 頼むから寝ないで! 危ないからッ!」

足と目元がひんやりして気持ちいい。

「店長ー、店長起きてー、お願いだから!」

「んー・・・ん・・・」

「だから待ってって!! ここで寝るのナシ!」


またゆらゆら気持ちいい感覚、それからベッドのフワフワした感触。


「…おやすみなさいッ!」

「おやす・・・なさ・・・」


意識を完全に手放す寸前で何かを掴んだ気がしたけど、もう夢の中。



夢の中の少女はもう泣いていない

       立ち上がって    駆け出してゆく


                  その顔は晴れやかな笑顔で
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