スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Merry Little Christmas 前編 

Have yourself a merry little Christmas
Let your heart be light
Next year 
All our troubles will be out of sight



2007年、12月24日。

蜜琉にとっては高校最後のクリスマスイブであるこの日、銀警館は大いにクリスマスの催し物で賑わっていた。
生徒同士誘い合って参加もできるイベントが学園規模で開かれるのだ。
そんなイベントに蜜琉達が参加しない訳がない、カフェの仲間を誘って参加したのが今いる会場の最強スイーツ王決定戦だ。
参加したのは蜜琉を始めとして、良将、ハクヤ、忍、真珠、散春。
蜜琉と散春は色々な種類のケーキを持ってきていたし、良将と真珠は運ぶお手伝いをしてくれていた。
忍も出品する為に一品持ってきていたが、ハクヤと一緒に目の前のスイーツに目を輝かせている。
蜜琉の知っている顔も結構いて、軽い挨拶をして会場内をせわしなく回る。
途中、とってもよく知っている二人組みと擦れ違ったので、にっこにこで声を掛けるのも忘れない。
皆でテーブルに座って様々なツイーツに舌鼓をうつ。
お二人が仲良しになった記念です、と真珠が自分のケーキの上に乗っていた苺を蜜琉と良将のケーキの上にひとつずつ乗せながら言うのを、二人は少し照れ臭そうにありがとうと笑った。

六名とも、思い思いに楽しんで、弾ける様な笑顔で一緒の時間を過ごした。
後片付けをして会場を後にすると、他に予定のあるハクヤと忍はそのまま次のイベント会場に移動し、真珠と散春もぺこりと頭を下げて違う場所へと遊びに行った。
残った蜜琉と良将が顔を合わせて笑いあう。

「どうしよっか?」

「どうしようねェ」

一応の予定は決まっているけれど、その時間まではちょっと間がある。
二人で校内を回って歩く、広いキャンパスの其処かしらでイベントが催されているのだ。
見ているだけでも充分楽しめる内容になっていてあっと言う間に時間が過ぎていく。
少し休憩しようと話をしていると、良将が掲示板に張ってあるチラシに目をとめた。
屋上でキャンドルの灯りを楽しみながらゆったりする場所が設けられ、誰でも参加可能とある。

「よしっ屋上行こう!寒いだろうからさ、マフラーとかコートとか持ってくるといいんだぜ!」

「屋上?何かしてるの?」

「行ってからのお楽しみ!オレも上着取ってくるからさ、ここに集合ねェ!」

頷いた蜜琉の後姿を見送って、良将も上着を取りにいく。
蜜琉がマフラーを巻いて戻ってくる頃には良将が上着を羽織って待っていた。
お待たせと声を掛けて、二人で階段を登って行く。
扉を開けると、ゆっくりと沈みかける太陽、鮮やかな夕焼けが広がっていた。

「きれーい・・・!」

感嘆の声をあげる蜜琉を見て、ほんとだねェと良将が笑う。
イベント主催の人から暖かい缶コーヒーを受け取って、周りに人が少ない場所に座って沈む夕陽を見つめていた。

「あれ・・・、ねェあっちに居るのって菫センパイと赤金じゃねェ?」

「あら、ほんとねぇ!茜ちゃんやるわねぇ」

見つからない位置に下がって暫らく様子を見ていたが、静かに話をしているようで邪魔をするのも無粋だと二人で顔を見合わせて笑う。
そうして、大人しく座ってゆっくりと沈んでいく夕陽を眺めていた。
少し寒かったけれど、マフラーは暖かかったし缶コーヒーが手を温めてくれていた。
何より、隣に居てくれる人の体温が暖かかった。
ゆっくり沈んでいく夕陽を見ている時に不意打ちをくらったりもしたけれど、お返しもちゃんとした。
すっかり辺りが暗くなる頃にはキャンドルライトが美しく屋上を彩っていた。

「そろそろ行こっか、今から戻って用意したら丁度いいよねェ」

そう言って良将が立ち上がって蜜琉に手を差し伸べる。

「そうねぇ、今から戻って用意して・・・鎌倉駅で待ち合わせでねぇ!」

差し伸べられた手を握って立ち上がる。
そうして、上がってきた時と同じ様に手を繋いで屋上を後にした。
お互い荷物を取ってきて、校門前で落ち合い自転車の後ろに乗せてもらって帰り道を行く。
カフェと良将が住むアパートを分岐する道で、6時半に駅でと別れたのだった。
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。