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一月のデート ――雪苑に冬牡丹――― 

月に一度はデートしたいわ、というお願い事は月に一度じゃ少ないじゃン!という言葉で約束された。
デートと括らなくっても、登下校で一緒になるのも二人で一緒にいられるならそれもデートみたいなものだしと言っても、やはり特別におめかしをして出掛けるのは嬉しかった。
何時もと少し雰囲気を替えて髪の毛は綺麗に結い上げ、お正月にも着た着物を着て行く事にした。
三が日を過ぎてしまえば着る機会はぐんと減るから、折角だしと仕舞いこむ前にもう一度着ておきたかったのだ。
そうして、迎えに来てくれた彼と手を繋いでデートに出掛けたのだ。

百花の王 雪苑に咲く
楚々とした雰囲気の庭園を二人で手を繋いで歩く。
てのひらを苦手としていた彼が自分の手をしっかりと握ってくれるのが嬉しかった、小指を繋いで歩いたのは夏の頃だっただろうか。
ふと思い出して、懐かしく思う。
知らずの内に特別な誰かに臆病になっていた自分と、幸せな光景をどこか遠くから見ていた彼がこうやって一緒に手を繋いで歩いている事がただ嬉しかった。
だから、卒業したらどうするのかという問いにも一緒がいいとしか思えなかったし、相手もそう思っているのがわかったから素直に笑って答えた。
卒業した後とか不安がない訳ではないけれど、そんなのも見越したようにこっそりと教えてくれた話を聞いて蜜琉が笑った。

その笑顔は、牡丹にも負けないほど鮮やかだった。



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