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Graduation 

明日は銀誓館第一期生の卒業式。

色んな事があったわよねぇ、依頼も気がつけば十本も行ってたし。
色んなとこに皆と遊びにも行ったし・・・。
アルバムめくってたら何時の間にか日付が変わってて、なんだかちょっとだけ落ち着かなくて。
メールしたら電話掛けてきてくれて、ちょっと話をしたの。

「うん、うん、それじゃ・・・明日・・・じゃないわねぇ。今日の夜、約束ね?」

携帯の向こうから聞こえる声は少し低く優しくて、暖かくて安心する。

「それじゃ、おやすみなさい」

少し名残惜しいけれど朝になったらまた会えるから、電話を切っておやすみなさい。


二月二十九日、銀誓館卒業式当日。

「これでこの制服を着るのも最後よねぇ」

寝る前にアイロンをかけてピシッとさせた制服に袖を通して、鏡の前でチェックする。
髪の毛を結い上げて、ほんの少しだけ化粧をしてお気に入りのリップをひと塗り。

「ん、よし!」

顔を上げて階段を駆け下りる、カフェの店内を見回して扉を開けると―――

「おはよう!学園までの直行便は如何でしょうか、お嬢様ッ!」

ほんの7時間ちょっと前に電話していた相手が、銀色の自転車に乗って笑っていた。
蜜琉がちょっと驚いた顔をしておはよう、と言うのをしてやったりというような顔で後ろに乗ってと促す。

「だってねェ、一緒に登校できるの最後じゃン!これは絶対迎えに行かなきゃだろって思ってたの!」

そう言われて、蜜琉は嬉しくなって微笑んだ。
だって、いてくれたら嬉しいと思ってたのは蜜琉もだから。

「ありがとっ!来てくれて嬉しいわ、そうねぇ・・・それじゃ、学園までお願いねぇ?」

「任せてッ!安全迅速、あ、でもちょっとゆっくりめで!」

そうやって、蜜琉の卒業式の朝は始まったのだ。

学園について、また帰りにと笑って別れると卒業式の準備で忙しない校内に向かう。
同じく、卒業を迎える友人達がそれぞれ思い思いの格好でそこにいた。
卒業と一口にするとなんだか切ない気がしたけれど、縁が切れる訳じゃないものねぇと呟いて、蜜琉はその輪の中に駆け出して行った。

門出に、幸あれ――――





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