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【6/1 朝】  保健室と、その主と 

欠伸をひとつ。



眠たそうな顔をしながら伸びをして。

真夜中の ■■ を 朝陽で押し殺して、何時ものように登校する。
何時もと変わらない朝、何時もと変わらない挨拶、何時もと変わらない------------


「おはようございます、玖凪先輩」

声を掛けられて振り向くと、そこには保健室の主として名高い岩崎木乃香がいた。


「おっはよぅー木乃香ちゃん!朝に会うなんて珍しいわねぇ」

何時もと変わらない笑顔で蜜琉が答える。
何時もと違う、硬い表情で木乃香が言う。


「・・・一緒に来てください、顔色がよろしくないです」

きょとんとした顔で木乃香を見つめて首を傾げると、木乃香が詰め寄るように耳打ちする。


「昨夜、アザレアに居られましたよね?」

蜜琉の顔が一瞬表情を無くしたのを木乃香は見逃さない。
そのまま、引きずるように保健室に連れてゆく。


保健室について無理矢理ベッドに座らされ、蜜琉が口を開いた。


「まさか、見られてたとは思わなかったわー」


ほんのりと笑ってはいるが悪い事を見つかった子どものように首をすくめる。


「失礼とは思いましたが後を追いました。・・・何も言いません、何もお聞きしません。」


でも、と木乃香が続ける。


「危ない真似はお止め下さい、蜜琉先輩」

真摯な目で見つめられる。


「危ない事なんかしてないわよぅ?たまたま、眠れなかったから行っただけよぅ!」


かわす様に、何時もの笑顔よりもっと見る者を魅了するような笑顔で笑う。


ギリ、と木乃香が手を握り締める。


「何も、言わないと言いました。ただ・・・貴女を心配する者もいるとだけ、ご理解ください、・・・みつるさん」


すっと温度が下がったような感覚に、誤魔化せない、と蜜琉は思う。
見られていなければかわせただろう。

そう、確かに完璧だったのだ。
何時もと変わらない蜜琉の笑顔、声、仕草に、違和感がある事など誰にも気が付かれていないのだから。

ただ彼女にだけは見られてしまったのだ、一人で 独りで GTに行くところを。

一人で 独りで ゴーストを駆逐する姿を。


「・・・わかった、当分一人では行かないようにするから、ね?」



それだけ言ってベッドに潜り込む。



「はい、そうしてください。・・・おやすみなさい」



シャッとカーテンが引かれて、世界が白くなる。

それから、世界が暗くなって。


意識を手放した。
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